旅上


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旅上

ふらんすへ行きたしと思へども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背広をきて
きままなる旅にいでてみん。
汽車が山道をゆくとき
みづいろの窓によりかかりて
われひとりうれしきことをおもはむ
五月の朝のしののめ
うら若草のもえいづる心まかせに。


大好きな萩原朔太郎の詩、5月の朝ではなかったけれど、今日のわたしはこんな気分で家を出ました。

霜月の朝は澄み、
千草咲く野を行く、もえいずる心のままに。と言う感じかな…

朔太郎の詩のなかの、ふらんすと言う言葉は、憧れを意味していると言われているのですって、
憧れに想いを馳せながら、美しい朝に、こころのままに旅に出る
なんだかわくわくして、こころが晴れ晴れと高揚していくような感じ、旅にはそんな楽しさがありますね。
しばらくそんな旅をしていないなぁと、ふと思う。娘と出かけた花巻・盛岡・遠野、そして京都・奈良
また一緒に訪れたいなぁと思うけれど、今は子育て真っ最中の娘、相当先になりそうです。
だからしばらくは、たまに一人で、小さなこころの旅に出るのも悪くないな。

せめては新しき上着をきて
きままなる旅にいでてみん。

という訳で、列車に揺られて終着駅に降り立ちました。
さっそく駅の裏手から歩きだし、住宅街を過ぎると、たちまちこんな野道に出ました。


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道案内は、赤い帽子に白いひげの木の人形


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青き空ススキの穂揺れ旅心


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道案内のジィージィーは、そこここの路地に、ひっそりと佇んでいるのです。
行く手に姿が見えないと、心なしか探してしまう…
そして、出逢うと嬉しくなって思わずニッコリしてしまう。



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ジィージィーさん、今日のわたしは気ままなのよ(^^)



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ひとりだと路傍の花や草の実なんかが話しかけてくれます。




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イヌタデ、朝の光の中で輝いていました。


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清楚な野菊も透過光に輝いて草むらで一際美しいです。


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そんな時は、ほら、ジィージィーさんも草の中



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ちいさな小川を渡ったら、水面もキラキラ話しかけてる



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木洩れ日を見上げれば、赤ちゃんの手のようなイロハモミジの葉が手招きしています。



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鮮やかな彩りのイタヤカエデに



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大きな葉っぱはキササゲでしょうか?


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木洩れ日の中に穴沢神社が現れました。



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木洩れ日が動く石仏の顏



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キラキラと水しぶき


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浅い流れのさざれ石、色とりどりの落ち葉の小舟も
もう少し秋が進めば、一面落ち葉が覆うかもしれません。


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農作業の道具を置くための、野原に立つ小さな小屋がなぜか好きです。




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大きくて立派な建物ですね。


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土蔵も良い感じ



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いち早く色ずくダンコウバイ



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コバノガマズミでしょうか、たわわに実ります。


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ドクゼリは最後の花を咲かせました。クモの巣は虹色に…


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苔もまた綺麗!!

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傾斜した山すそに立つ民家



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石の蔵に思わず立ち止まりました。


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ツタが絡まり美しいこと。


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千年の契り杉の案内板が目に留まりました。
そう言えば数年前、あじさい山に行った時、千年杉の話を聞いたことがありました。
最近になって偶然見つけて道を整備したと聞いたような気がします。



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今日はこころのままに、気まま旅、行ってみることにしました。
千年の契り杉には、山裾の民家の庭先を通していただく道でした。



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陽だまりには大根が干してあって、冬を迎える準備ですね。何だかいいなぁと思うのでした。


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椿の花も、陽に溶けて


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いち早く楓が燃えていました。
「庭先を通してください。」と声をかけると『どうぞ~』の声
なんだかほっこり、優しいなぁと思うのでした。



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竹林を抜けて行きます。



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杉林の中へと道は続いています。



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木洩れ日の山道を登って行くとやがて行く手に、なにか大きなオーラを感じます。


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チゴユリの実

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しばらく行くと行く手の森の中に目指す千年杉の姿が…



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思わず素晴らしいと呟いてしまいました。



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小さな祠が祀ってあるけれど凄く小さく感じました。


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周りの樹がか細く見えます。



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素晴らしい巨樹です。何となくマンモスに見えました(笑)



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千の契り杉の周りをぐるりと回り降りることにしました。
今日、この樹に出逢うために来たんだと思えました。
わたしは、あなたと何を契りましょう…
誠実に日々を丁寧に生きることでしょうか。



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ちいさな沢を渡り


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美しい竹林を仰ぎました。


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三軒の民家の庭先を通らせていただき、戻りました。


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最後の家の前で、洗濯ものを物干し竿から取り込んでいるお母さんに逢えました。
通らせていただきありがとうございましたとお礼を言うと、
『いいのよ、ここは旧道だったのだから、大きな顔をして通って良いのよ』と言っていただきました。
本当に優しい言葉に、何だか胸がじーんとしました。山の人はあたたかいなぁ…


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ちいさな美術館前で今日は引き返しました。週末に訪れる予定ですから(^^)



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柿の実が熟れていました。


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一葉が見送ってくれました。



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黄葉を映した水面



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来た道を降りて行きました。



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素朴な山の暮らしがみえますね。



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大きな岩をくり抜いた道
さあ、この坂道を降りたら次の場所へと向かいましょう。
気ままな旅は続きます。


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Commented by ejichan555 at 2017-11-11 10:21
おはよう。
枯葉とかの植物を写すのを見たら、やっぱり、貴女の写真をお手本としていることを再確認しました。
で、萩原朔太郎は好きですし、特にこの詩は大好きです。
来週、仕事で秋田へ出張しますが、車窓でこの詩を想いうかべることにします。ありがと。
Commented by sizuku at 2017-11-11 22:57 x
えじちゃん、こんばんは(^^)
えじちゃんも萩原朔太郎が好きですか。この詩は特にわたしも好きです。
一人でふらりと出かけた時など、やはりこの詩を思い出してます。
秋田へ出張されるのですね!!いいなぁ(^^)
まぁ、お仕事だと観光って訳には行かないのでしょうか?気を付けて行って来てくださいネ
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by kazetatinu-h | 2017-11-11 01:22 | 里山 | Comments(2)

草紅葉が色づき始めたある日、湿原の奥の小さな木のベンチに風が座っていました。遠い日の記憶を呼び覚まして…


by sizuku
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