いがり先生の植物写真WS 横沢入 

11月21日、植物写真家いがりまさし先生の写真WSが、あきる野市横沢入里山保全地区で開催されました。
横沢入は、ぐるりと回りを五日市丘陵に囲まれた谷戸と呼ばれる地形で、里山を形成しています。
かつては美しい田畑が広がっていたそうですが、戦後宅地化されることが決まり、農家の方々が土地を手放し
耕作する人がいなくなり、一時期すっかり荒れ果ててしまったそうです。
その後、東京都の里山保全地区に指定され、地元の方々やボランティアの方々の努力により、かつての
里山の風景が戻って来たそうです。豊かな植生や昆虫、野鳥、山野草なども楽しむことが出来ます。

この横沢入でいがり先生のWSが開かれるのは3月に続き2回目です。


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武蔵五日市駅の一つ手前の駅、武蔵増戸駅に集合します。
先月、青梅繭蔵でのコンサートでミュージシャンとしてのいがり先生にお逢いしましたが
今日は、久しぶりにフィールドでの先生にお逢い出来ます。
また、WSで顔馴染みになったみなさんとの再会も、とても楽しみなのでした(^^)


横沢入への入り口で、まず先生が目を止められたのは、コブシの黄葉でした。
『この時期のコブシの黄葉は美しいですね。そして来春の花芽ももう準備されているんです。』と先生。
紅葉や草の実ばかりに目を向けていましたが、植物の世界では密やかに季節のサイクルが巡っているのですね。


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銀色の産毛に包まれた可愛い花芽、浅い春に純白の花をつけるコブシの姿を思いおこしたのでした。
冬来たりなば春遠からじですね。


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青空に栗の葉の健やかな黄葉が目に沁みました。



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そして、栗の木の根元には咲き残ったリンドウの花がありました。
先生がどちらかのWSでお手本集に載せておられたリンドウの構図を思い出しながら撮ってみましたが、
バックが抜けず残念でした。マクロレンズに付け替えたらもしかしたらもうちょっとバックを整理できたかも?



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雑木林の森は、シックな秋色のグラデーションでした。



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横沢入に入ると、先生は直ぐに森に向かう細い道を入って行かれました。
なるほど、午前中のスポットライトのような光が一番注がれている場所でした。
何の葉でしょう、先生のお手本は面白い形にすがれた別の葉でしたが、順番待ちになったので
わたしはこちらの葉でレッスン。スポットライトに透き通るようなクリアなレモン色と、
少し丸まった葉のフチと、枝の輪郭を照らす光を表現するのだなと思いました。


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コナラの葉の緑とオレンジ色が綺麗でした。重なる葉の影も面白いなと思いました。


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小道の端に、枯れたアザミの綿毛が光っていました。コレだ!と思って撮ったのですが、
先生はこの時はカメラを向けられませんでした。後で判ったのですが、この時は光が弱かったのだそうです。
この被写体は朝の光より、午後の光線の角度の方がより引き立つ。瞬時に見抜く眼力素晴らしいです。
(最後の方で同じ場所の被写体で撮った写真と比べてみますね)


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行き止まりの少し湿地になった場所へと入って行かれます。
見るとたわわに実ったマユミの枝がしなやかに垂れ下がって目の高さです。
先生の教えを守って、露出補正は明るく、明るく、目いっぱい明るくです(^^)
でも、どこを切り取ったらいいのか、迷いました。。。



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先生はこの時、多分、草の葉を撮られていたのかなと思います。
頭上のマユミに美しい光が注がれているのが判ります。マユミの木の下で…いいですね(^^)



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そして、藪の中のヘクソカズラの実を見つけて美しく撮られました。
先生は以前、狭山丘陵のWSの時、師と仰ぐ植物学者の先生が、『ヘクソカズラのブロンズの実は
一番美しいと思っている』とおっしゃったというお話をされた事があり、とても気になる被写体となりました。

先生のお手本はとても素晴らしいのですが、わたしはこの程度です^_^;もっと美しく撮ってあげたいです。


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先生は、ご自分が撮るスタイルを見せてくれ、必要があれば絞りや露出補正の仕方もアドバイスしながら
モニターで撮った画像を見ながら被写体の選び方や画角について教えてくださいます。
ご自身の撮影スタイルを示してくださることが、このWSの魅力だと思います。
被写体を探し出す、先生の目線に感嘆しながら、光を生かす感性を勉強させていただいています。



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そして、何より、誰に対しても変わらない穏やかな物腰、温かな対応に心惹かれます。
そういった先生のお人柄に魅かれての20年来のファンの方も参加されています。



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さっと望遠レンズを構えるスナイパーみたいなショット(^^)隠し撮りお許しください。


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「午後の光を生かす」というWS。晩秋の正午の太陽の角度は低くて、夏の午後2時とかの角度と同じで
逆光を生かす撮り方に適しているそうです。『12月は一番光が美しい季節だと思っています。』
とおっしゃる先生、光を美しく操る、いがりマジックの原点ですね。


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『今日は空気もクリアで、美しい光が得られますね。』と先生、本当に気持ちの良い晴天です。
風も無く小春日和に、身も心もぽっかぽか(^^)
そうそう、先生はこんな事もおっしゃいましたよ。
『写真を撮る時は、常にこの一枚が最後の一枚だと思って、良く考えて撮りましょう。』
被写体に向かい合う時の心構えだと思いました。ただ撮っているだけではダメなんだ常に考えなければ…
この教えを守れば、駄作ばかりの大量生産は無くなるなぁ…と自分自身を戒めました。


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田圃の前の草むらを前にして、先生が超ローアングルにカメラを構えます。


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『三脚よりもカメラが低いんですね!!』と参加者の方がおっしゃいました。




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みなさん、いっせいに地面すれすれにカメラを構えて撮影中。



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みなさんが撮っていらしたのはこちらです。ハキダメギクの茎の細かな毛が光に輝く様子です。



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空の上では、オオタカとカラスが追いかけっこ(^^)


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『人間たちは、なにやってるの?』とでもいいたげに覗きに来たモズ吉くん(笑)

長閑だなぁ(^^)


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草原に思い思いに腰を下ろして食事後、午後のWSは、それぞれが、自分たちの目で被写体を探し、
自由に撮り、先生がアドバイスをしてくださると言うスタイル。
被写体を探して、みなさん三々五々と里山に繰り出しました。



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少し行くと直ぐにガマの穂がつんつん出ていた湿地に出ました。
え~?!びっくり、どうやらガマの穂が弾けて、なかから穂綿が出て来たようです。
一緒にいらした参加者の方も、初めて見たとおっしゃっていました。
微かな風が吹くと穂綿はふわふわと風に舞いあがります。


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なんだかヤナギランの丘で見た光景のようだなと思い、数枚写真を撮るも上手く撮れません。



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穂綿には小さな種がびっしりです(^^)



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因幡の白ウサギがガマの穂綿にくるまって傷を癒したというけれど、いままでガマの穂は知っていたけれど
穂綿がこういう形状だと知らなかったです。本当に綿のようにふわふわ、これなら傷も癒せそうです。



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どなたかがトウダイグサの見事な紅葉を見つけ、早速先生を呼びます。
なんと先生は、被写体にススキを配置して、太陽のノギを入れて撮影されました。
素晴らしいです!!わたしも順番を待って後から撮ってみましたが、光の位置が変わってしまいました。
仕方がないのでこんな構図になりました。
光は刻々と変わりますね。その一瞬は一期一会、大切なんだなぁと思いました。


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ムカゴの葉かしら?レモンイエローで綺麗です。光と影が面白いかなと思って撮りました。



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こちらはサルトリイバラでしょうか?光に透けた葉脈の美しさ、クルクル動く影の面白さに夢中!!



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林床の幼木にスポットライトが当たった一瞬、でも真ん中の葉っぱにピントが合った方が良いみたい?
もうちょっと絞ったら良かったのかな?それとも切り取り方の問題?撮り直して見れば良かったです。



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逆光に浮かび上がったシダの葉を裏側から。綺麗だと思って撮りましたが、何かゴミが付いてると思って
拡大して見たら、なんとマダニでした((+_+)) ぎょぎょ、いるんですね身近な里山にも^_^;


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谷津田の風景、好きです。もう少し早かったらハサガケの景観が見られたのにと、朝、入り口の畑に
いらっしゃった、たんぼの会のメンバーの方が言っていました。



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オレンジ色はエゴノキだそうです。黄色はイネシデでしょうか?


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真下から見上げて撮った2枚、どちらがいいのか選べません。
いえ、いいのか?じゃなくて、どちらもどんぐりの背比べですね^_^;


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空の色が深い蒼色になって、微妙なグラデーションが美しかったです。
木立ち越しの太陽のノギを入れて見ました。



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横と縦、どちらの構図の方が良いのか判りません^_^; 


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大きな樹のシルエットが面白いなぁと思って撮りました。



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光を影の中から浮かび上がらせたかったのですが、2枚とも影の部分が広すぎるでしょうか?


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やっぱり黒くつぶれた部分が大きすぎるかも…



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咲き残ったツリガネニンジンを先生が見付けられました。
晩秋のこんな時期まで咲いていてくれたなんて、可憐な花がなおさら愛おしくなります。

でも、下の写真だと、プツリと切れて不自然で、地面に自然に生えているように見えないそうです。


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そこで、足元の草も一緒に入るように撮ると自然な感じになるそうです。なるほど!!


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ススキの穂のキラキラと、穂のフォルムの面白さを撮りたかったけれど…難しいです。



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カリガネソウの種が光ります(*^_^*)



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うふふ、みなさん額を寄せ合って先生のカメラのモニターを見るの図
なんだか微笑ましいでしょう(*^_^*)



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みなさん、こちらに集まってください~(^^)と先生が呼んでいます。
先生は何か思いついたようです。
『みなさん一列に並んでくださいネ!!』
そしてパチリ、これはわたしのカメラで撮ったので全部は映りませんが
先生の超広角レンズは全員を捉えていました。一番背の高い影がもちろん先生です。




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そろそろ2時半になりますのでWSの終了時間まじかです。


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午後の陽射しに浮かび上がった柳の木、美しいと思いカメラを向けました。
朝の小道に先生たちが入って行かれました。


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すると先生は、朝のあのアザミの綿毛の前でカメラを構えました。
ちょうどいい光線が射しこんでいるんですね。


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そう、朝の綿毛より一段と輝いていました。
すうーと細いクモの糸がやわらかな風になびきます。


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綿毛の一本一本までキラキラ~♪
やはりこの時間帯がベストなんですね。とても納得です(^^)



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ヤナギの細い幹が白く耀いて綺麗でした。



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葉も幹も全てが輝きだす時間でした。


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薄の葉の紅葉も美しいです。


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ススキの穂の最後の輝きでした。


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美しい晩秋の一日、楽しいWSでした。



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いがり先生、ありがとうございました。
冬のWSも、あったらいいなぁと楽しみにしています。

それにしてもカッコいいなぁ(^^)


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by kazetatinu-h | 2017-12-04 17:08 | 写真 | Comments(0)

草紅葉が色づき始めたある日、湿原の奥の小さな木のベンチに風が座っていました。遠い日の記憶を呼び覚まして…


by sizuku
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