桜逍遥2018 その2
2018年 04月 24日
まだ春浅い頃でした。龍ヶ谷にある古刹龍穏寺を訪ねた折り、ちいさな案内板をみつけました。
“龍ヶ谷の山桜”とだけ書かれた看板でした。藪の中に続く細い杣道があったけれど知らない山ゆえ
この時は入山することをためらいました。この後、山猫軒に伺いオーナーさんから情報を得ました。
やはりこの入口から曲がりくねった山道を登っていくと小さな案内板があるのだそうです。
この案内板に従い30分程登るとその樹はあるのだそうです。まだほとんど知られておらず
道も不明瞭だとのことでしたが、妙に心に引っかかった樹でした。いつか逢いに行く。
そう決めていましたが、やっとその日が巡って来ました。今日こそは逢いに行きます。
龍ヶ谷は清らかな流れを湛えていますが、本当に龍が棲んでいそうなくらい鬱蒼としています。
あたらしく整備されたらしい道が続いていて少しホッとしながら、でも用心深く歩き始めました。
すると往く手に淡いピンクのスミレが!!綺麗なヒナスミレさんです。
今年初のヒナスミレに元気を貰って、さらに、しっかりと登って行きます。
あちらにも、こちらにも、ポツポツとヒナスミレが咲いています。
綺麗なナガバノスミレサイシンさんも
おや、エイザンスミレさんも、励ましてくれています。
そして、賑やかにタチツボスミレさんたちも(*^_^*)
道は植林帯の中の急な登りになりました。階段が作られていますが急登です。
地元の方がつ作っくださったのでしょう手描きの看板が励ましてくれました。
見上げれば藪椿の花も…
急な山道を息を切らして登り続けると目の前が少し開けて来ました。
そして立派な山桜が堂々と聳えているのが目に飛び込んできました。
植林帯の傍ではありますが、頭一つ抜きんでているのではないかと思わせる樹高です。
枝も大きく広げ樹冠も立派な巨樹でした。どう撮って良いか判らないくらい崇高な樹…
麓の山桜は満開ですが少し高所にあるため、花の時季には少し早かったようです。
ほんの少し咲き始めていましたが、1分咲きとも言えないほどの感じでした。
山奥で人知れず、たくさんの花を付けることでしょう。
見上げていると吹き抜ける春風にそよいでいる何万もの白い花が見える気がしました。
来年こそは花の時季に来てみたいと思わせるほどの孤高の山桜でした。
わたしは山桜に再会を約束し、帰り道と書かれた道を下って行きました。
登りの道と違って滑りやすく道も不明瞭なところが多いです。
まだ、これから整備されるのかも知れません。途中に奇岩もあったりして
なかなか面白いコースですが、危うく道を失うところでした^_^;
立派なナツツバキノ巨木もたくさんありました。
幹の幾何学模様が美しいです。
ミツバツツジも咲き始めていました。
木の芽がついと出て、まるで小さな燈火が燈っているみたい…
ブナでしょうか?若葉の色合いが美しいです。
陽射しに透ける芽吹き色を望遠レンズで引き寄せます。
でも、山道での三脚は難し過ぎて思うようなアングルで撮れません。
「春灯り」って題名を付けたけど
木立ちの間から覗く山桜の花と葉が美しくて何枚も撮りました。
そして、最後は青梅の梅岩寺へ戻り、夜桜撮影に挑戦です。
初めて三脚を使って夜桜を撮ってみました。
本当に満開の素晴らしい時期で、夜桜を撮っているのに、
昼間に撮らなかった事をすごく後悔しているわたしがいました。
妖艶な夜桜も美しいです。でも、やっぱりわたしは自然光で撮りたいです。
見物人もほとんどいなくて静かな春の宵でした。
なんだか仲睦まじくて素敵なご夫妻だなぁと…
夜桜の下をそぞろ歩く人影たち…
こういう写真も良いかな?と。。。
何枚も撮りました。そのうち人影も途絶えて…
夜空へと昇華していきそうな、枝垂桜の木の下に佇み見上げました。
今年も精一杯咲いて、癒してくれて慰めてくれてありがとう。
桜逍遥 その3に続きます。
by kazetatinu-h
| 2018-04-24 20:48
| 花